NEWS & EVENT

 

EVENT

イワン・コトリャレウシキー『エネイーダ』(上村正之訳、幻戯書房)刊行記念イベント

2026.09.07

イワン・コトリャレウシキー『エネイーダ』(上村正之訳、幻戯書房)刊行記念イベント

 〔第一部〕イワン・コトリャレウシキー『モスカリの魔法使い』(上村正之訳)朗読上演

 〔第二部〕トークセッション:『エネイーダ』と近代ウクライナ文学の誕生」

ロシアによるウクライナへの全面侵攻から5年目を迎えた2026年7月、近代ウクライナ文学の嚆矢にして、「ウクライナ文化・民俗の百科事典」とも称されるイワン・コトリャレウシキーの叙事詩『エネイーダ』が、幻戯書房「ルリユール叢書」の一冊として刊行されました。

18世紀末にウクライナの口語で創作された『エネイーダ』は、ウェルギリウスの古典叙事詩『アエネーイス』の英雄たちをウクライナ・コサックに置き換え、その壮大な物語を大胆に笑い飛ばしたパロディ叙事詩です。そこには、帝政ロシアの支配のもとで失われつつあった民衆の自由な世界と、その暮らしや風俗、言葉と笑いが、猥雑なまでの生命力とともに生き生きと描き出されています。

このたび、『エネイーダ』の刊行を記念して、朗読とトークからなるイベントを開催します。第一部では、国内初演となるコトリャレウシキーの戯曲『モスカリの魔法使い』(上村正之訳)を朗読上演。第二部では、トークセッション「『エネイーダ』と近代ウクライナ文学の誕生」をお届けします。

トークには、『エネイーダ』訳者の上村正之さん(慶應義塾大学)、近世・近代のロシア/ウクライナ文学に詳しい大野斉子さん(宇都宮大学)、そして『日本が知らないウクライナ』の著者で社会言語学者のユリヤ・ジャブコさんをお迎えします。

二百年以上にわたってウクライナの文化に豊かなインスピレーションを与え続けてきた『エネイーダ』。戦禍の続く今日、この作品を出発点に、ウクライナ文学が歩んできた道のりと、その豊かな世界について考えます。

【日時】2026年10月18日(日)15:00~17:00(開場は14:30)

    ※レセプションあり(17:00~18:00)

【場所】在神戸ウクライナ名誉領事館

    神戸市中央区港島1-3-11 神戸学院大学ポートアイランド第2キャンパス1号館4階  

【使用言語】日本語

【定員】30名

【参加費】無料(要予約)

【予約・問い合わせ】参加をご希望の方は、ご氏名と所属先等とともに「『エネイーダ』刊行記念イベント参加希望」とお書き添えの上、e.pithecanthropus@gmail.com(赤尾)までお申込みください。

【共催】在神戸ウクライナ名誉領事館/文科省・科学研究費基盤研究(B)「大国主義の現代史」(研究代表者:宇山智彦)/人間文化研究機構グローバル地域研究事業東ユーラシア研究プロジェクト国立民族学拠点

【プログラム】

《第一部》イワン・コトリャレウシキー『モスカリの魔法使い』朗読上演

[構成・演出]鈴木径一郎

[出演]岸本愉香、野上秋佳、宮本荊、赤尾光春

※第一部と第二部の間に休憩を挟みます。

《第二部》トークセッション「『エネイーダ』と近代ウクライナ文学の誕生」

[登壇者]上村正之(慶応義塾大学)、大野斉子(宇都宮大学)、ユリヤ・ジャブコ(茨城キリスト教大学)

[司会]赤尾光春(国立民族学博物館)

【出演者プロフィール】

鈴木径一郎(すずき けいいちろう):演出家。近年はオリジナル戯曲の演出に加え、文学作品の朗読劇化もおこなっている。『火のないところの小さなけむり』(2022)等で脚本・演出。朗読劇『エネイーダ(抄)』(2025)構成・演出、朗読劇『ラカン:患者との対話』演出、朗読劇『ディブック──二つの世界のはざまで』(2015/16)演出など。

岸本愉香(きしもと ゆか):役者。2013年『宿酔』以降の全てのsputnik.作品に出演。また、『ボンボドス』など㐧2劇場の2010年以降の様々な作品にも。ほかに2015年以降、シンフォニエッタ静岡『魔法使いの弟子』、dybbuk projekt 朗読劇『ディブック──二つの世界のはざまで』(2015/16)などに参加し、出演。透明感と存在感の両立した演技を得意とする。HP https://kishimotoyuka.wixsite.com/actor

野上秋佳(のがみ あきよし):俳優。㐧2劇場『我々の弁論』(2025)、浪花グランドロマン『永遠の金曜日』(2026)、project幻灯機『はざまの底の井戸の』(2026)等に出演。照明・殺陣も手がける。

宮本荊(みやもと けい):俳優(LifeR主宰)。第一回笹塚演劇王特別男優賞。 http://lifers.jp/

赤尾光春(あかおみつはる):大阪外国語大学時代に劇団「檜舞台」で活動した後、サミュエル・ベケット『ゴドーを待ちながら』演出・主演(1995)、ハロルド・ピンター『おとなしい給仕(The Dumb Waiter)』翻訳・出演出(2010)、S・アン=スキ『ディブック』翻訳・出演(2015/16)等。

【登壇者プロフィール】

上村 正之(うえむら まさゆき):慶應義塾大学 日本学術振興会特別研究員(PD)。ロシア文学・ウクライナ文学。論文:「『タラス・ブーリバ』におけるゴーゴリ的グロテスク」『ロシア語ロシア文学研究』第53号(2021);「ベリンスキーのウクライナ文学観――ロシア国民文学の探求の裏面」『ロシア・東欧研究』第52号(2023)、訳書:イワン・コトリャレウシキー『エネイーダ』(幻戯書房、2026)他。

大野 斉子(おおの ときこ):宇都宮大学国際学部 准教授。ロシア文学・文化。単著:『メディアと文学――ゴーゴリが古典になるまで』(群像社、2017);『シャネル№5の謎――帝政ロシアの調香師』(群像社、2015)、論文:「ネーションと帝国の二重性――ウクライナ知識人のアイデンティティ形成」『三田文学』第152号(2023);「ウクライナの風景画におけるリアリズム的表現の展開」『宇都宮大学国際学部研究論集』第53号(2022)他。

ユリヤ・ジャブコ(Yuliya Dzyabko, Юлія Дзябко):茨城キリスト教大学文学部 准教授。対照言語学・社会言語学。単著:『日本が知らないウクライナ――歴史からひもとくアイデンティティ』(大学教育出版、2023)、「在日ウクライナ人の言語意識――ロシアによる戦争の影響をめぐる考察」『ことばと社会』第25号(2023);「海外にルーツを持つ子供のアイデンティティ形成――在日ウクライナ人の子供の事例から」『社会言語科学』第26号第一巻(2023)他。

赤尾 光春(あかお みつはる):国立民族学博物館 特任助教。ウクライナ/ロシア地域研究・ユダヤ文化研究。共編著:『ウクライナ文化の挑戦――激動の時代を越えて』(幻戯書房、2025)、論文:「抵抗歌としてのウクライナ民謡とヒップホップ――マイダン革命から対ロシア戦争へ」『辺境のラッパーたち』(青土社、2024)、共訳書:デル・ニステル/ドヴィド・ベルゲルソン『二匹のけだもの/なけなしの財産 他五篇』(幻戯書房、2022年)他。